追記1:走向・傾斜データなど,ポイントデータの編集についての記事はこちらです.
追記2:走向・傾斜データの解析についての記事はこちらです.
QGISに既存の地質図を追加する方法は色々あって,
・GSJ地質情報サービス(https://gbank.gsj.jp/owscontents/index.html)
・GSJ地質図カタログ(https://www.gsj.jp/Map/index.html)
などのサービスが利用できます.感謝!
QGISで地質図を作成する方法は
・GSJ吉川さんのページ(https://staff.aist.go.jp/t-yoshikawa/Geomap/QGIS_memo.html)
で丁寧に説明されています.感謝!
これで終わりだとちょっと寂しいので,QGISで5万分の1地質図のシェープファイルの見た目を整える方法を紹介します.
まずはGSJの地質図カタログ→5万分の1地質図幅(https://www.gsj.jp/Map/JP/geology4.html)で必要な図幅を選択して,ベクトルデータをダウンロードする.例は邑知潟.
ダウンロードしたzipファイルを解凍すると,「GSJ_MAP_G050_***」というフォルダが生成されます.フォルダ構造は↓こんな感じ.readmeやdescription,10015.kmzはなんとなく分かりますが,10015.xlsが謎です.とりあえず,「shp」フォルダ内の.shpファイルをQGISで読み込んでみます.
シェープファイルは地質分布(geo_A.shp;ポリゴン),地質境界/断層線など(geo_L.shp;ライン),断面線(sec.shp;ライン),走向・傾斜(strdip.shp;ポイント),断面端や化石の産出地など(pnt.shp;ポイント)からなり,読み込んだだけだと適当な感じになるので,これを編集していきます.
まずは地質分布(geo_A).属性テーブルを開いてみると,MAJOR_CODEという列があります.これは,年代や岩相と対応する番号です.
ここで,元のフォルダに戻って,10015.xlsを開いてみます.シェープファイルと(概ね)対応するシートがあり,中身はそれらの属性テーブルとほぼ同じですが,「RGB」という異質なシートがあります.この「RGB」シートのAttib.Codeがgeo_A.shpのMAJOR_CODEと対応し,R,G,Bの列はその色情報になります.つまり,これをQGISで読み込めれば,指定された色で地質を表示することができます.
ということで,このデータの3行め以降をコピーしてCSVで保存します.「別名で保存」でCSV(コンマ区切り)を選んで適当なファイル名をつけて保存すればOKです.ここでは,color.csvとしました.
次に,このCSVをQGISにドラッグします.その後,geo_A.shpのレイヤプロパティを開いて,テーブル結合に移動し,左下の+をクリックします.
そうすると,geo_Aに結合するレイヤを選択するウィンドウが出てきます.「結合するレイヤ」はcolorを,「結合基準の属性」はAttrib.Codeを,ターゲット属性はMAJOR_CODEを選びます.その後,「結合フィールド」でR,G,Bにチェックを入れてOKをクリックします.
ここで,geo_Aの属性テーブルをもう一度見てみましょう.R,G,Bの列が追加されているはずです.つまり,geo_Aの各行のMAJOR_CODEとcolor.csvのAttrib.Codeを対照して,一致する行のRGB値を追加した,ということです.いわゆるリレーショナル・データベースですね.
あとは,シンボルにRGB値を入れればOKです.レイヤプロパティを開いて,シンボロジでシンプル塗りつぶしを選び,ストローク色を透明にして,塗りつぶし色の右のεをクリックします.
そうすると,式文字列ビルダが開くので,式に「color_rgb( “color_R” , “color_G” , “color_B” )」と入力してOKをクリックします.color_rgb()のカッコ内にRGB値を代入することで,色を読み込ませることができます.
これを適用すると,地質図とほぼ同じ色が再現できます.最後に,地層名の記号を表示します.レイヤプロパティのラベルペインで「SYMBOL」を指定します.
次回はラインデータ,ポイントデータを編集します.
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